二、切なさと愛しさと下心と。

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『〇月×日 カグラは、おっぱいがおおきなセンセイがすきらしい。あまえたふりをして、だっこしてもらったとき、おっぱいをもんでいた。そのときのかおは、ちょっとかわいくない。 おまえがおっぱいをもんでいるセンセイは、おれのいえにプールがあるのをうらやましがっていたんだぞ。おれのほうがセンセイよりえらい。 だからいえのプールにカグラをさそってやった。なのに『あかまさくんはこわいからいやだよ』とことわられた。 おれはだれかにことわられるのははじめてだった。 びっくりして、こころがわれそうだった。 こころが、からんとおとをたてた。おかしい。かちぐみのチートのおれのココロは、カンタンにこわれそうだ。 ナカミがはいっていないようだった。おれは、たいしたニンゲンじゃないようだ。 かなしくて、ないてしまった』 『〇月×日 おれは、おとなにあまやかされ、なんでもできるつもりでいた。 けれど、おれは、なにになりたいとかしょうらいのゆめがない。 かぐらは『すいえいのせんせい』としょうらいのゆめをもっていた。おっぱいがすきなカグラらしいゆめだ。 おれは、なにもおもいつかなかった。 かぐらはかっこいい。オトナのことばに、まいあがらない。おれとはちがう。 おれは、ちょっとだけまちがっていたようだ』
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