二、切なさと愛しさと下心と。

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『〇月×日 おれはけっしんした。いいおとこになろう。おとなのいけんにさゆうされない、ハガネのこころをつくろう。なかみのあるおとこになる。 かぐらにも『いいおとこになるから、けっこんしよう』とプロポーズしておいた。 ねえちゃんが、ほしいものははやめにツバをつけとくべきだというから。 かぐらのハンノウはいまいちだった。おれのむねをみてためいきをはいていた。 そんなにおっぱいがいいのか。』 『〇月×日 おれはなんでももっている。でも、それらはいらないものだった。 だから、いらないものをカグラにあげることにした。すると、かぐらがおれに『ありがとう』といったのだ! あいつはモノによわい。モノだ。おれがいらないものを、よろこぶ。 もうおれのことはこわくないのか、わらってくれることがふえた。 いらないものをすてるたびに、えがおがふえる』
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