二、切なさと愛しさと下心と。

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あのくそジジイは、俺と神楽が結婚するときに暗殺しとくとして。 純粋に、ガキの時みたいに気になるからお昼寝で隣に寝る、とか。 好きだからモノで釣るとか、そんな行動はもう全てし尽してしまっていた。 俺も神楽も、もう18だ。 お互いの身体に触れたい理由、触れた後の行為を想像して――興奮している。 触れたらきっともう止まらない。止められない、この触れていなかった空白の時間を埋めるために、身体が離れてくれないだろう。 下着を見せて誘う神楽なんて、――想像したこともなかった。 あのズボンを脱がしたい。下着の上から手で包んでしごいて、布越しに吸い付いて濡らして、指で解して――。 神楽。俺はもう大丈夫だ。強くなってる。 もう一度信じて、アレルギーを終わらせてくれ。 俺の部屋の壁が、神楽の写真で埋まる前にはやく、普通の恋愛がしたい。
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