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Side:梅田 神楽
荒療治はしない。
朱雅くんははっきりそう言っていた。
じゃあ、このままでいいのか。朱雅くんからは今すぐにでもアレルギーをどうこうしようとするやる気が感じられなかった。
なんというか上っ面だけで、あの好き好きっていう行動が嘘くさく見える。
……僕も、朱雅くんの何かを持ち歩いて、免疫力を付けた方がいいんじゃないか。
このまま触れない友人でいいなら、そんな努力しないんだけどなあ。
全然朱雅くんは僕の気持ちを分かっていない。
「神楽ちゃん。耳かきしてあげるよ。膝の上においでよ」
色々と考えていた僕が、ささっとシャワーだけで済ませて飛び出たら、父さんがソファで耳かきをもってスタンバイしていた。
「神楽ちゃん?」
父さんはロシア人のおじいちゃんの血が入っているのでクォーターで、翡翠色の瞳が外国の王子様みたいで、悔しいけれど黙っていればイケメンだ。
黙っていれば、だ。
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