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外国人の体つきなので、筋肉も程よくついていて、茶色い短い髪が清潔で、おまけに笑顔が甘く――そしてパイロット。
国内線だから、何週間も居ないってことはないけれど、2,3日帰ってこれなかったあとは、こんな風に甘えてくるから困る。
「反抗期かなあ。パパ、ただ神楽と話がしたかっただけなのに」
しょぼんと悲しそうな顔で俯く父は、自分の顔が武器になることを知っているから質が悪い。
「次はお仕事いつ? どこ?」
「ふふ。膝枕に飛び込んできたら教えてあげる」
「やだよ」
流石に僕が父さんの膝で、耳かきしてもらっていたら母さんだって気持ち悪がるだろうし。
「パパは悲しい。パパならお前を幸せにしてやれるのに。……あんなストーカー幼馴染にいつまでも甘えて。甘えるならパパに甘えればいいのに」
「誰にも甘えていません。僕、宿題があるから上に行く」
「宿題ならパパが教えてあげるよ」
「大丈夫。あかま――」
朱雅くんの名前を言いそうになって慌て口を抑えた。
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