一、 不良になりきれないキャラが弱い、赤雅くん

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赤雅くんのおかげで、体育館は静かになったが変な緊張が走った。 逆にやりずらい。 『赤雅君、ちょうど良かった。起ってください』 僕がそういうと、軍隊の訓練のようにまっすぐ立った。 『皆さん、彼をよく見てください。はい、ターン』 赤雅君は、よく教育された犬のようにターンする。 『そこで、格好良くポーズ』 彼は両手を上げ、万歳のポーズをとる。体育館内は、笑ってはいけないので震えている人が多数だ。 『はい。彼が、うちの制服を気崩している悪い例です。うちの制服は有名デザイナーが作ってくださった上品かつ精錬されたデザインです。タイは絶対にしてください。シャツはズボンの中に』 「神楽! 俺を悪い例に使うとか、いくらお前でも」 『ありがとう。赤雅くん』 にっこり微笑むと、咳払いして『あとぼーよ』と満更でもなさそうに座った。 ちょろい上に、君が制服をちゃんと着られないのが悪いのだ。 『あのように制服をきちんと着ない場合、英国式お茶会と、修学旅行、そして学際への参加権が無くなります。寄付金の量に関係なく参加は認められませんので』
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