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「やべえ。喋り方めっちゃ可愛い。会長! 視線をこっちに」
『ライトを焚かないでください! フラッシュも禁止です!』
毎回ながら、本当に眩しいのでやめてほしい。
『このように、あまりに著しく品位が下がる行動は、自分の将来のための評点に影響するので、慎ましく、校則に従って一年をお過ごしください』
こんな集会、赤雅くん以外退屈そうで可哀想だ。僕だって恨まれる役目なんてしたくない。
ああ、生徒会長なんて面倒くさい。寄付金や家柄からして赤雅くん自身がすれば良かったのに。
『これで終わりますが、クラッカーも花道にアーチを作ったり、花を巻くのも禁止ですので』
たった一人、赤雅くんだけブーイングしていたが他の生徒は速やかに帰っていった。
「ああ。怖かった。やっぱりお金持ちの御子息たちって怖いですねえ」
一条先生がため息を吐きながら、出ていく生徒を見ていく。
一条先生も僕と同じで庶民出だから親近感はある。
けれど、僕と違うのはハッとするほど綺麗で、男の人なのに、後ろ頭にケガがあるらしく長髪で――……これでおっぱいが大きかったら女性に見えてしまうことだ。
「一条先生、会長、集会終わった?」
「副会長!」
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