晴馬の誕生日

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少しだけうたた寝をして、また露天風呂で身ぎれいにしてから帰り支度を始めた。 午後五時になると日が沈んで風がもっと冷たくなる。 「たまにはこういうお忍びデートも良いな」 「・・・うん」 口数の少なくなった夏鈴が、恥じらうように窓の外を見上げた。 「あ、雪」 帰り道は吹雪になった。 一時間で保育園に着くと、子供達を回収して自宅に帰った。 下ごしらえしておいた大鍋に火を入れて、カレールウを溶かせばすぐに夕飯が出来る。 あと三週間でクリスマスだ。子供達はうちのツリーの下の方に、欲しいおもちゃを書いて枝の間に手紙を挟んだ。妖精が取り来て、サンタに欲しい玩具をオーダーするっていうわけだ。
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