晴馬の誕生日

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やっと覚え始めたばかりの文字で、何を書いているのかよくわならないような字を一生懸命に書いている顔がクソ真面目で、なかなか良い。 面白いからカメラを持ってきてシャッターを切り始めたら、燿馬がふくれっ面になってそっぽを向いた。なんでこいつはいつも俺に反抗的なんだろうか? 普段、燿馬は俺以外のヤツには無表情だっていうのに、なんで俺にだけそんな憎ったらしい態度をするんだ? 夏鈴曰く、「ようちゃんはね、命令口調が嫌いなんだよ」と。 俺の言い方が気に入らないらしい。 そんな上からものを言っているつもりなんて、微塵もないというのに・・・。 一日に10単語ほどしか発声しない燿馬。 わがままで躾けが悪いって言うヤツもいるが、この子はどうにも難しい。神経質だし、手順が違うとやり直さないと気が済まない。なんでそんなことにこだわるのか理解に苦しむようなことにこだわるし、諦めが悪過ぎてずっと号泣したかと思ったら泣き過ぎで声が死んだこともあった。毛細血管が切れて皮膚がまだら模様になったこともあった。 手を出すと面倒なことになるから、俺はただじっと観察した。なにをしようとしているのか、なにを考えているのか、見てわかるようになりたくてそうした。 そしたら、燿馬が視線が恐いと言い出した。じゃあ、どうすりゃいいんだ? キレたところで何も発展しない。 燿馬にはとにかく忍耐強さを教えられている気にさえなっちまう。
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