晴馬の誕生日

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だから、燿馬もたぶんそんな東海林家の男が受け継いできた変なこだわりの強さが継承されてしまって、それがまだ小さいうちははっきりとわからないが、そのうちイヤでもくっきりと浮き彫りになってくるんだろうな、と覚悟はしている。 徹底的に目を合わそうとしないところとか。 こいつは逃げるのが異常に上手い気もする。 自閉症も演技なのか天然なのか微妙だ。 自覚があってやっているのか、わけわからないままやっているのか・・・。 空気読めないんじゃなくて、空気をあえて読まないことにしているならば、それはそれで良いとは思うけど、社会性は欠くだろう。 損することも多いのに、な。 「晴馬、こっち持っててくれる?」 夏鈴が俺になにやら布切れの端っこを持たせてきたから思考はここで終わり。 裁断ばさみがジョキジョキと小気味いい音を鳴らして、近付いてきた。 「なにすんの?」 「巾着を作るの」
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