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「お前が健康体って証明されたことが嬉しい」
「そうだね・・・私も、安心したわ」
湯煙の中でほのかに色付いた肌がしっとりと馴染んでくる。
雪化粧した山を眺めて、落葉樹の最後の色付いた葉が風でハラハラと舞い落ちていく。
雲の流れ激しく、水かがみのように落ち着いた湖面にそのままの空模様が映し出されていた。
そんな贅沢な自然美をばっくに、薄桃色の夏鈴が俺の上で揺れている。
「綺麗だよ・・・」
「・・・ああん・・・」
湯船の中とはいえ、屋外の風にそのままあたるのはやっぱり身体には良くない気がして、俺達は普段するように身体を洗い合ってから浴衣に着替えて寝室に入った。
「昼間っから贅沢だよな」と、変なテンションになって言うと、夏鈴は色っぽい顔をして俺の腕の中で浴衣を脱ぎ去った。
「はやく・・・晴馬が欲しいの」
たちまち甘い空気が充満した。
俺の脳みそも沸騰しそうなほど興奮して、久しぶりの温泉上がりの夏鈴の身体に溺れていく。なぜか不倫映画のワンシーンが脳裏に流れた。
今度生まれ変わったら、きっと一緒になりたいとかいうセリフを吐く人妻が色っぽくて、高校生の頃に見たその艶めかしい男女の営みに異常に興奮したことを思い出した。
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