第4話 康平は気まぐれ

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「うーん。全然見つからないね」 いくら探してもおじさんのお皿は見つからなかった。こんだけ探しても見つからないってことは、このあたりにはないのかもしれないなあ。 「ねーおじさん。お皿っておじさんが使ってたやつじゃないとダメなの? どっかのお店で買ったらダメ?」 「いやお前、河童のお皿ってほんとの皿じゃないだろ。なんかこう、体の一部みたいな感じじゃん?」 「えー! そうなんだ! 健一くんって物知りだね!」 「健一殿、見た目の割には博識なのだな。見直したぞ」 「ヘヘッ」 「しかし、もう日も落ちる。二人とも、もう家に帰りなさい」 「え、ダメだよ! おじさんがもやしになっちゃうじゃん!」 「その時は、もやし炒めにでもして弔ってくれ。存外、美味かもしれんぞ。ハッハッハッ」 「うん、それはいや」 「だよね」 どうする、このままじゃおじさんが……。と、その時……!!
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