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「すっげぇ似合ってる!超可愛い!」
「北本君……そろそろ説明してくれますか?」
オレは、北本君の何度目?かのそのセリフに苛立ちを覚え、
それでも、やんわりと訊いてみた。
「この服に着替えたら、意図を説明してくれるという約束でしたよね?」
「ごめんね。思ってた以上に、すっげぇ似合ってるから興奮しちゃって。これなら、マジで狙えるかもな」
「北本君…」
「あっ……ああ。ごめん」
今朝、約束通りに校門前で待っていると、待ってましたとばかりに北本君が小走りで迎えに来てくれて、そのまま腕を掴まれて校舎内へ。
3階に上がり、2-A喫茶店の前まで来たので、入るのかな?と思っていたら、スルーされ、
隣のお化け屋敷も通り過ぎ、
2-C 写真館 貸衣装多数あります!
に入って行き、
今、そのバックヤード的な場所にいる。
貸衣装の文字を見て、嫌な予感はあったには、あったけど…。
「愛ちゃんには、このまま喫茶店のヘルプについてもらうから」
「人前に出るの?!」
キャバクラ的な言い方に突っ込みたくはなったけど、今は、そんな事どうでもいい。
オレは何故か今、向川の制服…それも女子の制服を着てるんだから…!
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