2 向川祭

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「すっげぇ似合ってる!超可愛い!」 「北本君……そろそろ説明してくれますか?」 オレは、北本君の何度目?かのそのセリフに苛立ちを覚え、 それでも、やんわりと訊いてみた。 「この服に着替えたら、意図を説明してくれるという約束でしたよね?」 「ごめんね。思ってた以上に、すっげぇ似合ってるから興奮しちゃって。これなら、マジで狙えるかもな」  「北本君…」 「あっ……ああ。ごめん」 今朝、約束通りに校門前で待っていると、待ってましたとばかりに北本君が小走りで迎えに来てくれて、そのまま腕を掴まれて校舎内へ。 3階に上がり、2-A喫茶店の前まで来たので、入るのかな?と思っていたら、スルーされ、 隣のお化け屋敷も通り過ぎ、 2-C 写真館 貸衣装多数あります! に入って行き、 今、そのバックヤード的な場所にいる。 貸衣装の文字を見て、嫌な予感はあったには、あったけど…。 「愛ちゃんには、このまま喫茶店のヘルプについてもらうから」 「人前に出るの?!」 キャバクラ的な言い方に突っ込みたくはなったけど、今は、そんな事どうでもいい。 オレは何故か今、向川の制服…それも女子の制服を着てるんだから…!
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