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「あ…ごめんなさい。私、この写真館を運営しているC組の、細井マキです。ヘアメイク担当してまーす」
「…はじめまして。如月愛です」
「じゃ、早速時間も無いし、メイク始めるね」
「え…っ? このままじゃないんですか?」
「うーん。そのままでも十分可愛いんだけど…優勝目指すなら…」
「わあぁぁぁぁぁあっ!! んな事いいから、早く始めろよ」
え?何?
北本君はオレの背中を押して、机を繋げて作った、メイク台の前に座らせた。
「今から説明するから、愛ちゃんは耳だけ貸してね」
「?…はい…」
不安に感じるのは、オレが特別心配症だから_て、訳じゃ無いよね?
「それじゃ如月君、目を瞑っててね」
「あ…はい」
そう言うと、彼女はオレの顔に、クリームのようなものを塗り始めた。
いつの間にか、女みたいな呼び方されるのにも、慣れちゃってたけど…
“如月君”なんて…高校以来だ。
なんか新鮮…。
「んじゃ、説明するよ。 さっき話した通り、支度が終わり次第喫茶店のヘルプについて貰います。 1~2時間位かな。その後…」
「藍は?喫茶店にいるんじゃないの?」
こんな格好で会いたくないし、訊いてみた。
「ああ。今頃、ミスター向川のコンテストに出場してるから、大丈夫!」
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