2 向川祭

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「オレにも…?」 ウインクはとりあえずスルーしつつ、 もっと知りたくて北本君を見上げた。 「そっ。サプライズだから、詳しいことは言えないけど…オレからの両想い記念のプレゼント」 「ありがとうございます」 プレゼントなんて…久しぶり… それにオレ…よく考えたら、藍が居ないのに、藍の友達と話せてるんだよね…。 凄い…。 進歩かも…。 「マキも、協力サンキュな」 後ろを歩いている細井さんに、顔だけ向けて片手を上げた。 「いいわよ。透にツケとくから」 「元カレ割引ねぇの?」 「あるわけないじゃん。ビジネスは、厳しいんだからね」 「んじゃ…オレの身体でじっくり払ってやるよ」 「ハア?! ばっかじゃないの?」 前に向き直った北本君に、 この人は……と、半ば呆れつつ見上げたら、 嬉しそうに、口角を上げていた。 「それじゃ…如月君、頑張ってね」 振り返ると、細井さんは、写真館の入り口で手を振っていた。 そっか…細井さんは、同じクラスじゃなかったんだ。 はぁ…… 自分の考えに溜め息が出た。 ……オレ…どんだけ頼ってんだよ。 しっかりしなきゃ。
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