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「オレにも…?」
ウインクはとりあえずスルーしつつ、
もっと知りたくて北本君を見上げた。
「そっ。サプライズだから、詳しいことは言えないけど…オレからの両想い記念のプレゼント」
「ありがとうございます」
プレゼントなんて…久しぶり…
それにオレ…よく考えたら、藍が居ないのに、藍の友達と話せてるんだよね…。
凄い…。
進歩かも…。
「マキも、協力サンキュな」
後ろを歩いている細井さんに、顔だけ向けて片手を上げた。
「いいわよ。透にツケとくから」
「元カレ割引ねぇの?」
「あるわけないじゃん。ビジネスは、厳しいんだからね」
「んじゃ…オレの身体でじっくり払ってやるよ」
「ハア?! ばっかじゃないの?」
前に向き直った北本君に、
この人は……と、半ば呆れつつ見上げたら、
嬉しそうに、口角を上げていた。
「それじゃ…如月君、頑張ってね」
振り返ると、細井さんは、写真館の入り口で手を振っていた。
そっか…細井さんは、同じクラスじゃなかったんだ。
はぁ……
自分の考えに溜め息が出た。
……オレ…どんだけ頼ってんだよ。
しっかりしなきゃ。
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