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隣のクラスのお化け屋敷は、既に長蛇の列になっていて、
まだ、一般のお客さんは少なく、ほとんど向川の生徒のようだった。
ただ…この北本君……。
その横を涼しい顔で歩いている……
オレの肩を抱いたまま…。
「あれ?北本。新しい彼女?」
当然だよね。
どうするの?
こんな格好で目立ちたくないんですけど?
「違うよお」
「ねぇ…北本君…」
オレは、早くこの場を立ち去りたくて、小声で訴えた。
「わかってるって。任せときな」
そう言ってくれたのに…!
「このコ、紫津木の彼女だから」
………
は?!…はあっっ??!!
「ちょっ_」
「「「「ええーっっ??!!」」」」
今まで興味無さそうに並んでいた人達も、一斉にこっちを見た。
北本君て、ワザとなの?それとも…天然?
みんな、列を乱さないように出来る限り身を乗り出し、オレの顔を伺おうとしている。
ますます顔をあげられなくなった。
「つーわけで、殺されたくなかったら、手ぇ出すなよ」
え…っ?
「お前は?」
「オレは、彼女とも友達だからいいんだよ。
んな事より、彼女も出場するからよろしく」
なんか今サラッと言ったよね?
出場…?て…なに?
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