2 向川祭

10/45
前へ
/86ページ
次へ
「ダブル優勝狙ってるとか?」    「そう。あの紫津木が、特定の彼女をつくったんだ。お祝いしなきゃでしょ?」 「「「「ああ」」」」 な…なに?揃って納得されてますけど? 受付の『貞子』さんの笑顔も怖い…。 再び歩き始めると、    「ヤローは、これでOKだな。後は、女共か…」   聞こえるか聞こえないかぐらいの小さな声で呟いた。 「おっつー」   「北本、遅い。何やってたの?」 喫茶店になってる2-Aに入ると、制服に フリフリのエプロン姿の女の子が3人出迎えてきた。 始まったばかりからか、お客さんは、まばらで、やはりお昼近くにならないと喫茶店は、混まないのかもしれない。 「悪ィ。悪ィ」 「そのコ、だあれぇ?」 「ああ…紫津木の彼女」 うわあ…さっきと同じ。明らかに空気が変わる。 「紫津木が言ってんの?」 「そう。すっげぇだろ?」 「へぇ…マジでそうなんだ」 靴から頭のてっぺんまで、舐めるように観察された。 他の2人も遠巻きではあるが、オレの様子を伺ってる。
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!

564人が本棚に入れています
本棚に追加