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「で?私らに匿え…て事?」
「流石!話が早い」
「でもねぇ…余計な心配かもよ? 校門前の事件以来、熱狂的な紫津木ファンも、鳴りを潜めてるらしいから」
アレ……事件になってたんだ…。
藍にこっそり声をかけて、一緒に帰るだけだったのに…
でも…藍に対して、こっそりは、ここでは通用しないことを今日実感した。
「そっか…なら大丈夫か…」
顎に手を当て、急に真剣な顔で何か考え始めた。
そんな北本君をよそに、彼女はオレに話しかけてきた。
「あなた名前は? 見たことない顔だけど?」
「あ…如月愛といいます。…よろしくお願いします。 実は…ここの生徒じゃないんです。 細井さんのところで、制服お借りして…」
「ああ…。そういう事か。私、大河内薫」
大河内…?薫…?
どっかで…聞いたような…
「それから…」
と、既に接客している2人を指差して
名前を教えてくれたが、全然頭に入って来なかった。
どこでだっけ…?
「でも、あなたが彼女と言われても、面白みが無いわね」
え?
「モデルが選ぶのは、なんだかんだ言っても、やっぱりモデル体型の可愛い顔なんだね」
は?
いやいや…オレの事を女だと思ってるから、まあモデル体型のことは目を瞑るとして…
可愛い顔…て、何だよ。
女の子に言われても嬉しくない。
ん? いやいや、男に言われても、嬉しくないから!
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