2 向川祭

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「大河内、ちょっといいか?」 彼女が、北本君に呼ばれてオレの側を離れた瞬間、その時を見計らったように声をかけられた。 声がした方を見ると、男子生徒数人の集まりで… いかにもガラの悪そうな…お兄さん達。 テーブルのグラスは、とっくに空になっていたらしく、氷も溶けて水になっていた。 「オレ達の相手してよ」   ニヤついた目つきでオレを見てる。 「オ…わ…私?!」 「アンタしかいないでしょ?」 男は、バカにしたように鼻で笑った。 他のヤツらも、クスクス笑いながら伺ってる。 ぁ…。 コイツらの顔が、いつかの安堂と村井と重なった…。 「でも、私…」 どんな顔をしていいかわからず、引きつってしまう…。 ていうか…もう誰にも気ぃ遣う必要なくなったんじゃない? 無理に笑顔つくる必要ないんだよ。 嫌だったら、ちゃんと拒否しなきゃ。 そもそも、コイツら安堂の客じゃないし… いつまで、安堂達の亡霊に悩まされるんだよ。 「何してる?早く来いよ」 痺れを切らしたのか、立ち上がってオレの方に1歩踏み出した。 すると、つられるように隣に座ってたヤツも立ち上がる。 ちょっ…ちょっと…、 1歩後ずさった。 やっぱり怖い…… 「何してるんスか?先輩」
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