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「大河内、ちょっといいか?」
彼女が、北本君に呼ばれてオレの側を離れた瞬間、その時を見計らったように声をかけられた。
声がした方を見ると、男子生徒数人の集まりで…
いかにもガラの悪そうな…お兄さん達。
テーブルのグラスは、とっくに空になっていたらしく、氷も溶けて水になっていた。
「オレ達の相手してよ」
ニヤついた目つきでオレを見てる。
「オ…わ…私?!」
「アンタしかいないでしょ?」
男は、バカにしたように鼻で笑った。
他のヤツらも、クスクス笑いながら伺ってる。
ぁ…。
コイツらの顔が、いつかの安堂と村井と重なった…。
「でも、私…」
どんな顔をしていいかわからず、引きつってしまう…。
ていうか…もう誰にも気ぃ遣う必要なくなったんじゃない?
無理に笑顔つくる必要ないんだよ。
嫌だったら、ちゃんと拒否しなきゃ。
そもそも、コイツら安堂の客じゃないし…
いつまで、安堂達の亡霊に悩まされるんだよ。
「何してる?早く来いよ」
痺れを切らしたのか、立ち上がってオレの方に1歩踏み出した。
すると、つられるように隣に座ってたヤツも立ち上がる。
ちょっ…ちょっと…、
1歩後ずさった。
やっぱり怖い……
「何してるんスか?先輩」
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