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え…っ?
よく知っている声
世界で一番好きな声
「紫津木か…」
うそ…っ
嘘 嘘 うそ…!
本当に藍なんだ…!
オレの背後に立ってるから、顔は見れないけど…
声だけなのに、胸の奥がキュンと痛くなる。
今朝、玄関先まで見送ったクセに…
もうこんなにも焦がれてるなんて…
「何もねぇよ。ただ…この女」
ああ! でも、ダメダメダメ!
こんな格好見られたくない!
藍にだけは…!
絶対引かれるし、
それに、黙って来たのバレちゃう!
「オレの彼女が、何か失礼な事したんスか?」
ぇ…?
今……なんて?
「チッ……お前の女かよ」
ぇ…ぇ…?
ええっっ!!
バレた?! 何で?!
リーダー格らしい男が、他の男達を顎で促すと、オレの横を通って、教室を出て行った。
完全に居なくなるまでの間、
怖くて怖くて、自然と拳に力が入ってしまった。
「北本」
来た…!
どうしよう…北本君が叱られる…
「お前の彼女なら、ちゃんと守ってやれ」
へ?!
「違うのか?」
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