2 向川祭

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教室を出て、少し離れてから、オレは、北本君に謝罪した。 だけど、北本君は__、 「ん?何で謝るの? オレのほうが悪いでしょ…?その…‥」 「オレ…いろいろトラウマがあって‥‥」 なんて説明すればいいのか、頭の中で、ごちゃごちゃ考えていると 「そう言えばさ…アイツ…守ってやりたい…て、いつも言ってたんだ」 え…? 「ちゃんと見てんだな。 オレなんか、愛ちゃん震えてることに気づけなかった」 「え…でも、オレだって事わかってなかったでしょ?」 と、北本君を見上げると、前を向いていた彼は、なぞなぞの答えを教えるかのような、したり顔の笑顔で、こう答えた。 「常に、愛ちゃんの姿を見守っているから、あんな事態に直ぐ対処出来たんじゃないかな。それに」 それに? 「『オレの彼女』の顔を見ようともしなかったよね」 確かに…。 「愛ちゃん以外、興味無い証拠だよ」 うっ‥… 北本君は、そういう事をさらりと言う。 どんな顔をすればいいか迷ってしまう。 「早く紫津木に会いたいだろうけど、もう少しオレにつきあってね」   「?…はい」 「これから体育館に行って、出てもらうから」 「何に?」 「ミス向川コンテストに」 は?
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