3.藍のアパートで…

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「藍?」 「オレは、いいから」 「でも…、」 「愛にそんな事させたら、最後までヤりたくなるから」 「オレは、いいよ」 「…ダメだ」 「…どうして?」 「…準備してないから」 「何を?」 「…ゴム…とか? それに…今日は、愛のこと、思いっきり甘やかしてぇんだ」 何か…上手くはぐらかされた気がする。 「風呂…入るだろ?」 オレが頷くと、クシャッと笑って、 「この部屋の難点は、風呂場までお姫様抱っこしてやれねぇとこかな」   ぇ… 何だろ…なんか…胸がチリチリしてきて… 「風呂入れてくる」と言って、立ち上がった藍の腕を掴んでしまった。 「…愛?…どした?」 ん?どした?オレ…? チリチリだけじゃなくて、モヤモヤもしてきて…   「あ…」 藍は、オレをベッドに寝かせて、布団もかけてくれた。 「風邪引くからな」 そう呟いて、立ち上がろうとした時、再び藍の腕を掴んでしまうオレ。 「本当に、どうした?」 愛おしそうに、オレを見てくれる藍。   それだけで十分なはずなのに、このモヤモヤは… 「…最後に、藍が抱いた女性って、どんな人?」    「あ?」   オレ、何訊いてんだ? 本当に、馬鹿じゃないの? 「その人も、ここで抱いたの?」     うわぁ…っ…何…? でも、堰を切ったように止まらなくて   「ホテル?ホテルで抱いたなら、お風呂までお姫様抱っこしたの?」 オレ…何訊いて…      でも…一番気になっていた疑問が、頭に浮かんだ。     浮かんだだけなのに、涙が滲んできた。 「その人は…オレの知らない…藍の表情を…知ってる…の?」
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