3.藍のアパートで…

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「…そうだな」 重たい沈黙の後、最初に発せられた言葉が、それだった。     …ぇ…? ま…そりゃ…そっか…そう…だよね… 余計な事訊いて、当前の答えが返ってきて… なのに、何で?…何で、視界が滲む? 「…そう…」 やっと絞り出した声。 オレは、今の感情を知られたくなくて、背中を向けて、布団を頭から被った。 今までのオレなら、こんな事訊かなかった。 つきあってた女性がいたことぐらい…わかってたことじゃん。 それをオレも受け入れてたんじゃないの? オレ…我が儘になったのかな…? 藍の全てが、欲しくなっちゃったんだ… 女性達は、当たり前のように抱いてもらえてたんだよね… はぁ…オレって最低。 ちょっと抜いてもらっただけで… どんだけ独占欲強いんだよ。 「なあ…何か勘違いしてねぇか?」 「うん…そうだね。もう我が儘言わないし…変な事も訊かない…ね」 と、背中を向けたまま、精一杯の明るい声で答えた。   「愛?」   そんな優しい声で呼ばないで。   「…こっち向けよ」 向ける訳ないじゃん。 こんな独占欲丸出しの顔なんて…  背後で、小さくため息をついたのがわかった。 藍にため息をつかせてしまった自分が嫌になっていたら ふわっと髪を撫でられた。 大きな手と温かな体温に、また涙が溢れそうになる。 「それじゃ…そのままで聞いてくれ。 前にも言ったと思うけど、愛はオレに、何でも訊いてくれて、構わないんだからな。 遠慮なんかすんな。我が儘も、むしろ、もっと言って欲しいくらいだ」 藍…    「ただ…正直…、この話に関しては、触れたくなかった…。 オレ…お前に会うまでは、女の事、性欲処理の対象にしか見てなかった。 だから…たぶん…オレは…女達の事… 道具を見るような目で…見てたと…思う…」  
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