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たぶん…オレの事後の姿を見て…
女の子の姿と重なったんだろうけど…
「……女の子は、幸せだったと思うよ…藍に抱かれて。 たとえそれが、一回きりだとわかっていてもね。それに…」
次の言葉を言う前に、一呼吸置いた。
アイツらと、藍の決定的に違うところ。
それは…
「藍は…相手の気持ち…無視したりしないだろ? 強引に…ヤったりしない…だろ?」
最後の方は、本当に小声になってしまって…
藍に聞こえただろうか…?
でも、その心配は、無用だったみたい。
振り返った藍は、少し怒ったような顔をしていて……、それに驚いているスキに、思いっきり抱きしめられた。
「藍…?何か…怒っ…」
「馬鹿か?お前は…!」
「…ぇ…?ば…っ…?」
「さっきも下で言ったろ? 自分を大事しろって」
「?…うん…」
「オレの気持ちを上げるために…自分を…下げてんじゃねぇ…よ」
ぁ…
「…サンキュ…な…」
藍…
「愛…お前が、なんで泣いてんだよ」
「…ぇ…な…ぁ…藍が、泣いてるから…」
「…泣いてねぇよ」
藍は、クスッと笑うと、オレの額に額をつけて、「愛してる」と囁くと、顔をゆっくりと離した。
「一生、守ってやるって、誓ったのに…お前に、救われたな…」
藍は、オレを見つめて、照れ笑いを浮かべていた。
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