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『愛ちゃんは、紫津木のこと藍って呼んでるだろ?』
「?…はい」
『それは、紫津木が呼んで欲しいって言ったからなんだろ?』
「……そうだけど…?」
と、答えるのと同時に、言われた時の状況を思い出し、急激に顔が熱くなった。
『だったら、もっと自信持ってもいいんじゃない?』
「え……?何で?」
『明日来れば、わかるよ』
そうなの…?
『じゃ、来てくれるね?』
「…はい…」
今一つ納得いかないまま電話が切れて、そのうち夕飯の時間になり、
藍が家に帰ってきた。
「ただいまあ。今日、すっげぇ疲れた」
オレを抱きしめて、肩に額をのせた藍。
「信じらんね。殺人的だった」
まあ…そうだろうな。想像しただけでもわかる。
「明日は、もっと疲れることさせられるんだよな…」
一般のお客さんが、来るから…て事?
フフッ…藍は気づいて無いみたいだけど、藍は仕事に対して、“させられる”ていう言葉は使わないんだよ。
まあ、藍は嘘はつけないから、明確に仕事とは言ってないけど…
訊いたら答えてくれるのかな?
でも…やめとこ。困らせたくないし…。
「シャワー浴びる前に、癒やされたい」
「それって…?」
「こういう事」
藍は、ひょいとオレを立ったままの状態で持ち上げると、そのまま寝室に入った。
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