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「…こんな時に言うのも、アレなんだが…」
と、何か言いづらそうに、横を向いてしまった藍。
「うん…何?」
話しやすくなるように、笑顔でその先を促すと、目だけチラッとオレを見て
「オレの過去にヤキモチ妬いてくれて、ちょっと嬉しかった」
「な…っ!」
イ…イケメンだからって、何言っても許されると思うな。
「ヤキモチじゃないもん」
「じゃ…何?」
意地悪な藍が、顔を出してきた。
「…恋人はオレなのに…アノ時の藍を知らないなんて、悔しくて…」
「なにお前、そんなにオレのイキ顔見たいの?」
「イキ顔だけじゃないもん!イク前も、イッた後も見たいの!」
ちょっとの間、目を丸くしていたが、
プツ…
クックッ
肩を揺らし、そのうち大きく笑い出した。
オレ…何か変な事言った?
「…愛…お前って、ホントすげぇな」
何が…?
「…敵わねぇよ」
と、まだ笑みが残る顔で、オレの頭をクシャッと撫でた。
「1つ、良いこと教えてやる」
?
「オレのイキ顔見たヤツなんて、1人もいねぇよ」
「ぇ…な…何で?」
「オレ、いつも最後は、バックだから」
言われた意味を理解するまで、時間がかかってしまった…。
なんか…あまりにも生々しくて、
「その情報…知りたく無かった」
「ホントは、ちょっと安心したろ?」
その、艶っぽい顔を見たら、
何故か急に、自分が全裸だということを思い出してしまい、恥ずかしくなって、布団を被って横になった。
「ぉ…お風呂入れてくるんじゃないの?」
「そうだな」
布団の隙間から出ている、オレの髪をクシャッとしてから、下に降りて行った。
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