564人が本棚に入れています
本棚に追加
「無理無理無理無理、絶対無理!」
「怖いのか?」
オレは、藍の目を見つめて、首を何度も縦に振った。
「愛が、飛び降りるわけじゃないだろ? それとも、オレが信じられない?」
そんな自信たっぷりに言われても…ね…。
「ああっ面倒くせぇ」
ぇ…
藍はオレを抱えたまま、梯子の降り口に立った。
下を覗くと…
うわっ…高!
どれ位あるかな…2m50は、あるよね…
藍は、屈んではいるけど180弱はあるだろうし…
そうすると、合計4メー…、
「愛!」
強めに呼ばれて、反射的に藍を見ると、
突然、唇を塞がれた。
そのまま、藍の舌が侵入してきて
上顎をなぞられた。
「……んっ…」
油断していたせいもあり、甘い声がオレから漏れる。
と、同時に心臓だけではなく、内臓全部がフワッと浮いた…気がした。
ドサッ
ん?
そしてゆっくりと、唇が離れていく…。
「な?平気だったろ?」
へ?
ゆっくり辺りを見回すと、
リビングだ…
なっ…だ…っ…騙し討ちぃ~?!
キスしてる間に、飛び降りるって、
「ちゃんと、下見て降りてよ!危ないじゃん!」
「はいはい」
軽くあしらわれてる気がするのは、
決して、気のせいじゃないと思う。
最初のコメントを投稿しよう!