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結局、藍に見つかった後は、
おとなしくベッドに上がり、布団に潜り込んだ。
でも、眠れない!
うるさい心臓が、寝かせてくれない。
もう寝るだけじゃん…
いつものように、添い寝だけだから。
布団から、顔半分出して天井を眺めた。
藍の匂いがする…
ドキドキするけど、安心する…
大好きな匂い…
オレは、その大好きな匂いに包まれながら、いつの間にか眠ってしまっていた。
キシッ
ん…?
ベッドの片方が沈む感覚で、目が覚めた。
「…ぁ…悪い。起こしたな」
「…あ…お…?」
寝起きで焦点が定まらず、目を擦りながら、藍を見た。
間接照明の、暖かなオレンジ色の光の中に、藍の顔が浮かび上がっていて
「…藍…キレイ…」
「…寝ぼけてんのか?」
と、苦笑した。
「それより…部屋、暗くないか?」
「?…うん」
「そっか…なら、いい」
「藍?」
「ん?」
「腕枕して」
「………っ!!」
「…藍?」
「…あ?…ああ…いいぜ。ほら」
ベッドとオレの間に、手を滑り込ませて、抱き寄せてくれた。
「…同じ匂いだな」
オレの髪に顔を埋めて囁いた。
「ぁ…ごめ…勝手に借りちゃった」
「そういう意味じゃねぇ」
「…え?」
「黙って、嗅がせてろ」
「ぇ…ぁ…」
いつもより、密着度が激しい…!
今更だけど,緊張してきた…!
「ぁ…明日、本当にデートしてくれるの?」
「…ああ」
「1日?」
「1日」
「1日、紫津木藍を独り占め出来るの?」
「…その言い方…よせ」
「ごめん…ぁ…ネックレス…ありがとう」
「…おお」
「なんか…プ…プロポーズされたみたいで
…ドキドキしちゃった……なんちゃって…」
「……」
「……」
「……」
「…あ…お?」
斜め上にある藍の顔を覗くと、
呼吸が一定のリズムを刻んでいた。
寝ちゃったのか…
今の台詞…結構、勇気が必要だったんだぞ。
まぁ…いいか。
オレも、藍の胸に顔をすりすりしてから、眠りについた。
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