1 藍の隠し事

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萎縮してしまって、藍のシャツを握り締めると、藍は、穏やかな表情でオレを見上げた。 「何もしねぇよ。ただ…」 その状態のままベッドに倒れると、緩く抱きしめてきた。 「こうやって、愛の体温を感じたいだけだから」 「藍…」 オレも感じたくて、藍の胸に顔をうずめ た。 「藍…」 この名前に何か意味があるのかな…? 答が知りたくて藍の顔を見ると、瞳を潤ませ、何かを堪えているような表情だった。 「藍…?」 オレの問い掛けに我に返ったように、瞼をパチッとすると、すぐに視線を逸らした。 「悪い。シャワー浴びてくる」   そう言い残して、ベッドを後にしてしまった。 誘っておいて、すぐに行っちゃうなんて、ずるいよ。もー。 オレは、藍のまだ温もりが残るシーツの上で身体を丸めながら、やがて消えてしまうであろうその温もりに、未練がましくすがりついた。
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