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幹線道路の様子をうかがっていた健太が、走って戻ってきた。
「来たぞ」
広人の耳にもかすかにPCのサイレンが聞こえた。
エンジンをかけ脇道から飛び出すと、思った通り、すぐうしろにワゴン車がいた。広人のPCが進路を塞ぐ形になった。ワゴン車が抜こうとするが、広人は巧みなハンドルさばきで前を塞ぐ。
左右に蛇行する車を見て、一般車両が次々にブレーキを踏む。
このままでは事故につながる、と思った瞬間、バックミラーのワゴン車が脇道に逸れるのが見えた。
しまった。
広人は急ブレーキを踏みUターンした。
自ら隊のPCが一歩先に脇道を曲がっていく。
「くそっ。先越された」
健太の声が耳に入った。
広人は無言のまま自ら隊のPCのあとに続いた。
狭い道だった。両側には住宅が並び、ところどころに商店が見える。このまま進むと、もう一度大きな道路に出るはずだった。そこまでは無理をしないほうがいい。
広人はアクセルを緩めた。前のPCとの距離が開く。
健太がこちらを見るのがわかった。
「ここは危険だ」
広人の声に健太がため息をついた。
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