黒猫と彼女。

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「すみません。もう一度言ってもらえませんか? 『・・・くの恥ずかしい』って?」 俺がそう訊ねると友利(ともり)先輩はカーっと耳まで赤くしてわなわなと唇を震わせた。 「え? ちょ・・・友利(ともり)先輩? 大丈夫ですか?」 俺はそう言って顔も耳も真っ赤な友利(ともり)先輩を心配することしかできなかった。 「・・・雛人くん・・・それ・・・わざと? ねぇ。わざとなの?」 「いや・・・え? あの?」 俺は少し焦りながら本当に恥ずかしそうにしている友利(ともり)先輩を見つめることしかできなかった。 「と、とりあえず・・・抜いてくれる? それから・・・話そ?」 そう言って少しだけ身動ぎをした友利(ともり)先輩は『んっ・・・』と甘い声を漏らして悩ましげに眉を寄せた。 「・・・続き・・・シたいんですけど?」 俺の言葉に友利(ともり)先輩は小さな声で『駄目・・・』と呟いた。 だから俺は『はい』と返事を返した。
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