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「・・・シてないよ。何も」
真顔でそう言ったそいつの・・・『秋人』の顔が滲んだ。
「おい。泣くなよ。・・・怖かった?」
そう言って俺の頭を撫でた『秋人』の手は大きくて優しくて温かかった。
嗚呼・・・本当に・・・敵わない・・・。
俺は『うるさい』と言ってなんとなく『秋人』に抱きついてみた。
そんな俺を『秋人』はクスリと笑って抱きしめ返してくれた。
「動揺しすぎだろ? 俺が全裸だと思った?」
『秋人』の言葉に俺は何も言い返すことができなかった。
『秋人』は全裸じゃなかった。
『秋人』は上半身だけ裸だった。
全裸だったのは・・・俺。
しかも俺の服を脱がせたのは『秋人』じゃない。
つまり、俺の服を脱がせたのは・・・。
「雛。お前・・・全裸で寝る癖があるだろ?」
『秋人』の言葉に俺は無言で頷いた。
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