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「ちょっと・・・気を付けろ。俺を脱がせたのもお前だぞ? これ・・・この痕も・・・」
『秋人』はそう言うと首筋に付いた痕と胸に付いた痕をゆるゆると指差した。
「・・・ごめんなさい。それは全部、友利先輩のせいなんです」
「こら。責任転嫁をするな」
『秋人』はそう言うと大きな溜め息を吐き出してベッドから下りてソファーに座り、足を組んでテレビのリモコンへと手を伸ばした。
大型テレビはプッと音を立てて点くと大きな艶かしい声で鳴きだした。
「雛。一応、聞くが・・・身体に変わりはないんだな?」
『秋人』は艶かしく鳴き続けるテレビを面白くもなさそうに見つめたままそんなことを俺に訊ねてきた。
本当に・・・相変わらずだ。
「何もないよ。何かあればすぐに言う。友利先輩も居るし心配、掛けらんないし」
俺はそう答えて左胸に付いた消えない傷痕にそっと触れてみた。
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