黒猫と感情欠落王子。

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「服なら脱衣場だよ。畳んでカゴの中に入れてある。俺のも一緒にあるから取って来て」 そう言った『秋人(あきと)』は腹が立つほどいい笑顔でニコリとしていた。 本当に・・・腹が立つ・・・。 「嫌だ。なんで俺が『秋人(あきと)』の服まで取って来ないと・・・」 「俺に逆らうの? つまり、それは『今すぐに挿れて下さい』って解釈でいいんだよね?」 そう言ってクスリと笑った王の目はマジだった。 昔からそうだ。 特に『秋人(あきと)』は歪んでいる。 けれど、そんな『秋人(あきと)』に俺は昔から憧れている・・・。 「・・・わかりましたよ。取って来ます。取って来ればいいんでしょ」 俺はそう言って頭を掻いてラブホの脱衣場へと向かった。 「・・・あれ? 『秋人(あきと)』。風呂に湯っ!?」 「(ひな)と一緒に入ろうと思って溜めてたんだよ。溢れたみたいだね」 そう言ってクスクスと笑っている『秋人(あきと)』の顔は俺のすぐ横にあって俺は後ろから『秋人(あきと)』に抱きしめられる形になっていた。
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