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「は? 俺と風呂? なんで? 一人で入れよ。やだよ」
俺はそう言って後ろの『秋人』を振り返ろうとしてやめた。
振り返ったら間違いなく・・・キスされる・・・。
そのくらいのこと『秋人』なら簡単にやる。
友利先輩以外とのキスはゴメンだ。
一度、春海がうるさいからキスして黙らせたことはあったがそれでも嫌な気持ちにはなった。
「雛。・・・どうする? 俺と風呂に入る? それとも・・・」
俺の耳元に口を寄せて囁く『秋人』のその声は甘かった。
「・・・それ・・・俺にじゃなくて春海か女にやってやれよ」
俺はひどく正論なことを口にしていた。
俺の正論に『秋人』は面白くもなさそうに笑っただけだった。
「・・・入るよ。一緒に。ただ・・・」
俺は鏡越しの眼鏡を掛けていない『秋人』をギリっと睨め付けた。
気の強い捨て猫のような荒んだ目で冷酷無慈悲な王を・・・。
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