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「仲、いいんだな。高校の頃からの付き合い?」
「いや。もっと前。中学からの付き合い」
俺はそう答えてガサガサいっている後ろが気になって少しだけそこを振り返ってみた。
「それ・・・英字新聞?」
「うん」
そう答えて英字新聞に目を通しているそいつは昔からちょっと頭が可笑しい。
「・・・てか、一人なの珍しいね」
俺は空いている平日の午後のカフェ店をぐるりと見回した。
「春海にバレたくないから・・・ね」
そいつがそう言い終わると同時にそいつのテーブルにそいつが頼んでいたホットコーヒーが届けられた。
そいつは届けてくれたまだ若い女性店員に『ありがとう』と言って微笑んだようだった。
そいつに『ありがとう』と言われたまだ若い女性店員は頬を赤くしてそいつのテーブルを足早に離れて行った。
「ねぇ。・・・彼女は?」
「居ないよ。そう言う雛は? まだ友利くんと?」
そいつのその問いに俺は『うん』と答えて知らず知らずのうちに微笑んでいた。
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