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「じゃあ、俺とデートな。決まり」
そいつはそう言うとカップに残っていたコーヒーを飲み干し、俺の腕を掴んで席を立ち上がり、俺を引き摺るように歩きだした。
「あ、ちょっ! 新聞! 新聞、忘れてるよ!」
俺はテーブルに置かれたままだった英字新聞を何とか拾い上げてそいつに引き摺られるままカフェを出てそいつに引き摺られながらカフェの駐車場を歩いた。
「車?」
俺の問いにそいつは『うん』と答えるとほぼ同時に1台の黒い車の前で立ち止まった。
「この車・・・ハリアー?」
「うん。そう。ハリアー」
そいつはそうとだけ言うと車の鍵を開けて運転席へと乗り込んだ。
俺はそのあとを急ぐことなく追ってそいつの隣の席・・・助手席へと乗り込んだ。
「内装・・・いいね。流石は高級車。儲かってんね」
俺はそう言ってクスクスと笑っていた。
そんな俺を見て隣のそいつは『さ。どうでしょう』なんて微笑んで言うから質が悪い。
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