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「・・・ヤった・・・の?」
俺の問いにそいつは『うん』とも『いや』とも言わずに微笑んでいた。
それが余計に俺を不安にさせた。
身体に痛みはない。
けれど、怠惰感はあるし熱っぽい。
そう言えば・・・変な夢も見ていた気がする・・・。
もし、それが夢でなく現実なら俺は・・・。
「・・・答えろよ」
俺はそいつを睨み付け、低い声を出してそう訊ねていた。
それにそいつはまたニコリとした。
余裕なその微笑みがどうしようもなく腹立たしい。
「『秋人』って呼んでくれるなら教えてもいい」
『秋人』・・・ね。
「・・・『秋人』。教えて。ヤったの?」
俺のその反応にそいつは満足そうに微笑んで俺の首筋にそっとキスを繰り返した。
俺はそれを拒むことなく『秋人』の返事を待っていた。
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