1日目 朝

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ふとベッドの上を見ると、自分を起こしにきたはずのビリーがウィルと絡まりあって幸せそうに眠っていた。 平和な光景に力が抜けそうになるが、あまりもたもたしてはいられない。 急いでシャワーを浴び、朝食を済ませ、家を出ると制服に着替えた静が自転車をひいて待っていた。 「あれ?遠野、何してるの?」 夏の初めの焼け付くような日差しの下、玄関先に佇む静はさすがに暑そうで、制服のシャツを第二ボタンまで開けている。 背後に広がる雲ひとつない青空とあいまって、ただ突っ立っているだけで妙に絵になってしまうのだから、イケメンは罪深い。 「先輩の自転車壊れたんでしょ?おばさんに先輩乗せてくように頼まれたんですよ」 「それで外で待っててくれたの?悪いことしたな。ありがと、って…なに?」 静は無言で自転車のハンドルを押し付けてくる。 「自転車貸してあげるんですから、先輩が漕いでください」 「嘘だろっ!?お前とおれ、体重差どれだけあると思ってんの?」 「そこ認めちゃっていいんですか?」 楽しげに反論され、ぐっと唇を噛む。 直人は昔からそこそこ食べる方だし、運動部でがっつり動いているのに、縦にも横にも伸びにくい。 バスケ部なのに百七十ないのはさすがにつらく、身長のことはかなり気にしている。     
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