第13章 愛ある生活

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「いや。…あの、これからの俺たちのことは。とにかくシンが抜けるまではこのまま、三人でまなと現状のまま、抜け駆けなしで続けようって申し合わせはしてるんだけど。そのあと俺とリク、二人対まなになることについては正直どうしていくのかはっきりしたことは決めてなくて。普通に今まで通り二人でまなを大切にしていくのか、それとも決着つくまで争うしかないのか…。あいつはそれについても考えがある、って言うばっかりで。はっきりまとまったら相談するよってなんか自信有り気に言うんだ。どういうことなんだよ、なんか考えてるなら今話せよって文句言ったんだけど。いろいろ調整してるからもう少し待てってそればっかで」 「調整?」 わたしは彼の腕の中で遠慮なく眉根を寄せた。なんか、不穏。 「それってわたしも関係する話なわけでしょ。どうして二人だけで話し合うの?わたしは決定に参加できないの?」 「いやまぁ。…俺もそこんとこよくわかんなくて。あいつから何か話があったらちゃんとまなにも伝えるよ。勝手に方向性を決めたりしないから。まなの気持ちが最優先だもんな、それは当然のことだよ」 宥めるようにそう囁いて優しくキスするけど。 大丈夫かな。この人たち案外、いろんなことわたしの意向訊かずにがんがん進めちゃう傾向あるんだよね。こうして夜中に順番に二人寝する決まりとか。長崎くんがいる間は抜け駆けなし、なんてのもいつの間にか勝手に申し合わせが出来てたし。まあ今のとこ、特に不本意な内容もなかったからそれはいいんだけど。 もし重要なことなら。ちゃんとわたしの意見も加味してくれるんだよね。そう思いつつもそこら辺、微妙に不安がなくもない。…かも。 わたしのそこはかとない懸念をよそに一見平穏な日々が過ぎていった。     
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