第13章 愛ある生活

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そう考えるとこの三人以外の目からもそうそう猫またぎ、ちょっと触れられるのもぞっとするほど酷い代物ってこともないとは思うんだけど…。 そんないくつかのエピソードを脳裏に思い浮かべて何とか自分を支える悲しさ。ほんと、リュウといるとどんどん自分の女としての自尊心がだだ滑りに低下していくばっかなんだよね。 その後、リュウはあいつらの名前なんていうの?とか変なことを尋ねてきはしたが、わたしがはねつけるとそれはあっさり諦めたみたいだった。一体それを知ってどうするつもりだったのかな。身元調査? 探偵社に依頼するとか?まさかね、と一笑に付したけど。あながち笑い話でもなかったことを後々わたしは思い知らされることとなった。 変化は思ってもみない形でやってきた。 その日の集合場所は地元の居酒屋。駅前から少し外れたところにあって目立たないしチェーン店でもないのでいつも満席とまでいかず、でも食べ物が美味しい上に混みすぎていなくて席が取りやすいのでわたしたちはよく利用していた。最近は仕事終わりに集まる時は改札前じゃなく、直接ここで集合することが増えた。     
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