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「どうしよう…どうしたら…」
少年はアルバイト先でも真面目で気がつくと同期や店長から一目置かれてはいる。
ただこういう時に助けてくれるような人は一人もいなかった。誰にも頼る事が出来ない。
少年は両親も親戚も兄弟もいない18歳にして所謂天涯孤独だった。
ぎゅっと肩から下げた鞄の紐を握る。どうしようもない。通帳を新しく作るにしても今は夜の9時。銀行が開いているわけもなく今日はどこかで一夜を明かさなければいけない。
普段から大金を持ち歩くタイプではもちろんなく使う分だけ持ち歩き必要になったらお金を下ろすといったスタイル。
少年は財布を開ける。所持金は五千円が一枚。千円が一枚、小銭が567円だった。
漫画喫茶やホテルがあるがこれからの生活の事を考えると安易に利用するのは躊躇われた。
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