7人が本棚に入れています
本棚に追加
め……るの……
めざ……ので……
……
……
……目覚めるのです。
何処からか声が聞こえてくる。
眩しい光に包まれ、おいらはゆっくりと瞼を開いた。
「お待たせしました、にいださん。私は……」
目を疑った。
ベッドから体を起こすと、30センチほどの小さな雲に乗った、キラキラと光る神が視界に入る。
「これは縁起がいい!」
「おお、喜んでくれますか」
「福禄寿が現れるなんて、来年も良い年になりますね」
……
……
「私は七福神ではありません」
違った。頭のテカリだけで判断するものではないなと反省する。
「失礼しました。こちらへどうぞ」
おいらは笑顔を振り撒き、リンゴの入ったダンボール箱へと誘い入れる。そして、ガムテープで塞ぎ、宛先をアラスカにして郵便局に持ち込んだ。
「着払いで」
昼まで二度寝したら雪掻きをしよう。そう心に決め、夢の世界に戻って行った。
【完】
最初のコメントを投稿しよう!