愛知から北海道は遠かった!

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「目覚めるのです」  また出た。もうアラスカから生還したのか?  どうやら夢ではなさそうだ。夢と現実の違いくらい分かる。 「起きてますよ。それで、功績って何です?」 「はい。にいださんは、幾つもの神聖な祭りで功績をあげられました」 「何かくれるのですか? それとも願いを叶えてくれるとか?」 「あなたの心を覗かせて頂きますね……素敵な……言葉……広める?」  ドキッとした。どうやら、深層意識を読み取ったらしい。最近のおいらは、素敵な言葉を世界に広めていきたいなんて思っていた。もしや、その事を…… 「イケボになりたいのですね」  ……違った。  タコはタコ型タブレットを取り出し、何かを調べ始める。 「見つけましたよ! お祭りでよく見かける、声が高くなる不思議なガス! これでいいですか? あっ、でも……600円……ちょっと悩む値段ですね」  ……しかも、イケボにはならないアイテムを勧められた。 「あの……声は変わらなくても……」 「そうですよね。欲しいですよね……でも、600円……くっ……」 「いや、別に……無理しなくても良いですよ?」  タコの瞳がキラキラと輝いた。
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