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「でも、願いは叶えてくれるのですよね。えっと、お金を……いや、鐘を渡されたら邪魔になっちゃいますねえ。それに600円であそこまで困るとなると……あっ、そうだ! 雪掻きを代わりにやって貰えませんか?」
これなら今日はゆっくり休める。我ながらナイスアイデアだ。
「雪掻き? 私は猫舌なので、雪掻きは出来ませんよ?」
……
……
「えっ? 猫舌は関係ないですよね? それに、タコですよね?」
「アハハハハ……バレてしまいましたか!」
タコが嬉しそうに墨を吐いている。
「何をしに来たのですか!? もう結構ですから、お帰り下さい」
神はショボンとした。
「先日の事です。朝の寒い時間にホットコーヒーを買おうと思って、自販機に立ち寄りました。すると、あったかいブラックコーヒーを選んだのに、微糖の冷たいコーヒーが出てきました。こういう事もあるさと、100mほど先にあった自販機で、もう一度ホットコーヒーを買おうとしました。しかし、出てきたのは冷たいホッ〇レモンでした……」
「なんの話ですか!? 悲し過ぎません!? 誕生日にそんな話は聞きたくないですよ! 凄い能力を持ってるなら、自分に使えば良いのでは!?」
「自分には使えないのです。皆さんを幸せにする能力なので……」
「……そうなのですか。申し訳ないです。おいらはその気持ちだけで十分ですよ」
これ以上、関わり合うのは危険だ。人情を漂わせて、お帰り願おう。
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