3:犬猿の同行者

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「でも、そんなにどうやって持って行くんです?  荷車があるわけでもないし」  御影さんはリュックから軍手を取り出すと両手にはめ、頑丈そうな作りのエコバッグみたいなものを二つ出した。そこへ水の入ったペットボトルどんどん入れていく。 「お前に持てとは言わん」  冷たい声でリュックを背負い、エコバッグの持ち手を肩に掛ける。もう片方の肩にも。そしてそのまま歩き出す。逞し過ぎる。どこぞの武道の修行みたいだ。僕は完全に引き攣った顔を隠せなくなっていた。  御影さんは、ズシリと重そうな荷物を肩に食い込ませながら歩いて行く。いくらなんでもひとりじゃ無理でしょ。  すごく億劫だ。でも、放ってもおけない。先を行く御影さんに駆け寄り、志願した。 「一つ持ちます。コッチと交換しましょう」  御影さんは僕の持っているスーパーの袋を一つヒョイと持つと言った。 「森、歩きながら撮影しろ」 「え!?  いやいや、ひとりで無茶ですって」 「手ブレすんなよ」  御影さんはそう言って、先へズンズン歩いて行ってしまう。僕の言うことなんて聞きやしない。意地っ張りというかなんというか。結局僕の荷物まで持たせてしまっただけに終わってしまった。  僕は気付かれないように溜息を吐き、例の如く言いつけ通りカメラを回した。
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