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夕方になり交代の人間が来た為、2人で仕事を上がる。
タイムカードを押し2人で店を出ると、そのまま近くのカラオケボックスに移動する。
俺も千尋さんも家は近所なので、いつもは2人で歩いて帰るのだが、何やら深刻そうな感じだし…
人目を気にせず、落ち着いて話しが出来る場所と言うと、近所にはカラオケボックスしか無かった。
部屋に入り、ドリンクを2人分注文するが、その間も千尋さんの表情は暗い。
とてもカラオケに興じる雰囲気ではない。
『で?どしたの?何かあった?』
千尋さんは椅子に座ってオレンジジュースを少し口に含むが、俯いたままで黙っていたので、仕方なく俺から切り出した。
なるべく話しやすいようにと…努めて明るく声を掛けたのだが、千尋さんはそれでも話し辛かったのか…少しの間を取った後、ようやくボソボソと話しだした。
『…あのね…』
『うん。』
『…典孝君て、クリスマスってジャパンオープンだっけ?』
『うん。何も、わざわざクリスマスにやる事ないのにね。予選が24日で、決勝が25日。ま、試合は土日に集中するから、仕方ないんだろうけどね。』
そう。今年のジャパンオープンは、クリスマスにぶつかった。
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