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「無理だ。城には結界が張ってある。あんな小さな子供を、連れて帰ることは出来ないよ」
「あ、そうか」
途端に神奈はがっくりと肩を落とす。きっと自分も一緒に遊びたかったのだろう。それが分かっているだけに、見た目は未だ少女の小さな頭を撫でてやった。
「そういうわけなんだ。聖司郎がもう少し大きくなるまで、待っててくれるかい?」
申し訳なさげに眉を落とし、謝罪してくる主に睦月が諦めたように嘆息を落とす。睦月とてヴィクトールのコピーだ。主の幸せを願わないコピーなど、存在しない。
「仕方ないですね。なるべく早く帰ってきてくださいよ」
それでも釘を刺すことは忘れずに、それだけを言い置いて二人は居城へ帰っていった。
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