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本当にありがとう!
そうして皆にお礼を言った後、僕はグラスバンドの演奏に耳を傾けた。
思い出の音楽は今年もやっぱり素晴らしかった。
僕は、チラッと彼女の様子を確認する。
するとこちらを見ていたのであろうか彼女と目が合った。
その時の彼女は何とも言えない表情だ。
嬉しがっているのか、驚いているのか、少しがっかりしているのか。
もしかしたら彼女は、僕に気を使ってプレゼントを嬉しがる演技をしていた…?
でもやるべきことはやったので、これ以上考えても仕方ない。
後、伝えることがあるとすれば…
(1年間、本当にありがとう。こんな情けない男だけど、これからもよろしくお願いします。)
本当は言葉にして言いたかったが、恥ずかしくて言えずに微笑むだけになってしまった。
こんな時にさえ、しっかり彼女に思いを伝えられない内気な自分。
そんな自分を情けなく思ったその時だ。
「…!!」
彼女は僕にあるものを与えてくれたのだ。
それは物ではないが、今年のクリスマスはこれまで以上に素敵なものになる。
そんな予兆をはらんでいるものだった。
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