思い出はセピア色

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  「あの張りつめる緊張感。 く~たまんないぜ。」 「そんなものなの?」 「ああ、衣音も銃を手にしたら絶対やりたくなるって。」 いやいや、私は痛いのイヤだから。 「そうだ、今から銃を見に行こうぜ。」 「え? 今から?」 「ああ、トイガンの実物見たこと無いだろ?」 「そりゃ、そうだけど……。」 私は鉄砲にはあまり関心がないんだよね。 でも、旗門の目が輝いてるよ。 「ちょっとだけだよ。」 「そうこなくっちゃ!」 旗門の少年のような眼差しについつい負けてしまう。 2人して向かったのは、バスと電車を乗り継いでたどり着いたトイガンショップ。 「すご……。 専門店なんか有るんだ。」 私はちょっと驚きを覚えた。 「さ、行こうぜ。」 旗門は広いとはいえない店内へと入っていった。 「あ、待ってよ。」 私も後に続く。 こじんまりとした店内には所狭しとトイガンが箱積みされていた。
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